〝ノート代わり〟の新聞形式プリント教材「新プリ」1年使用で調査

 新聞の形式を活用した〝ノート代わり〟のプリント教材「新プリ」の共同開発者は、約1年間「新プリ」を使った児童を対象に使用感に関するアンケートを行い、83%が「自分で考える力が伸びた」と感じていることが分かりました。一方で「話し合う力が伸びた」と感じている割合も78%。自分で考えて授業の内容をまとめ、周りと話し合って結論を出すという「新プリ」シリーズの授業の流れについて、一定の成果が見られた形です。

新聞の文体やレイアウトなどを、普段のノート代わりになるように落とし込んだ「新プリ」は、現役小学校教諭と当社代表の元新聞記者が連携して考案。各単元用からグループ活動用まで4種類を用意しました。2022年9月中旬・2学期から、大阪市立鶴見南小学校の小学5年生(全3クラス、現・6年生)を対象に、社会科と総合的な学習の時間で導入しました。

23年の1学期末で約1年間使用したのを踏まえ、7月上旬に6年生計118人(有効回答者数110人)を対象に使用感に関するアンケートを実施。「新プリ」を使うようになった後と、以前のノートを使っていた時を比べて質問に回答する形式で、7項目に答えていただきました。

回答は「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」「どちらかといえば当てはまらない」「当てはまらない」の四つの中から選択してもらい、「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の合計で最も高かったのが「自分で考える力が伸びた」の83%でした。

以下は次の通りです。
(2)「話し合う力」が伸びた。【78%】
(3)テストに挑戦しようという気持ちが強くなった。【75%】
(4)テストの結果について、点数だけでなく、どこを間違えたのかが気になるようになった。【74%】
(5)授業のやり方は、将来的により役立つ形式になった。【73%】
(6)「まとめる力」が伸びた。【71%】
(7)「意見を言う力」が伸びた。【68%】

テストの結果について、点数だけでなく、どこを間違えたのかが気になるようになった割合が4人のうち3人に上るのも意義があるとみています。自分の弱点の克服をする習慣を身につけ、将来PDCA(計画、実行、評価、改善)を回せるようになるための一歩になるためです。

一方で、新聞の形式を導入したのは、「編集力」や「発信力」の育成につなげるためですが、「まとめる力」と「意見を言う力」がそれぞれ71%と68%。他の項目よりも低く、「新プリ」共同開発者の教諭は「話し合いの場では、同じ児童が繰り返し発言するケースが多く、全体の場で自信を持って発言できるようにするのが次の課題」と位置付けました。

今後もより効果的な形式や運営方法の構築に向けて改善していきます。

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この取り組みは、大阪・関西万博の「TEAM EXPO 2025」プログラム/共創チャレンジに登録されています。

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